消費者余剰と生産者余剰はミクロ経済学の基本です!
しっかり覚えておきましょう!
目次
消費者余剰
消費者余剰ってなんだ?
買う人にとっての価値ー実際に払った額
消費者余剰とは「買い手が払ってもいいかな…と思った金額から、実際に払った金額を引いたもの」を指します。
言葉だけでは分かりにくいので、例を使って考えてみましょう。
500円のおいしいグミがあります。ネコ先輩はこのグミを手に入れるなら600円払っても良いと考えていました。ネコ先輩はグミを500円で買えて幸せです。
さて消費者余剰はどれくらいか?
これは600-500=100ニャ
正解です!
消費者余剰は・・・
買い手にとっての価値ー実際に払った額
で求めることができましたね。
ネコ先輩は500円のグミに600円払っても良いと思っていたため、100円余剰が生まれたことになります。
これが消費者余剰になります。
では次の例を見てみましょう。
500円のおいしいグミがあります。犬後輩はグミに400円以上払う気はありませんでした。
このときの消費者余剰はいくら?
400-500=-100ワン
残念!不正解です!
400円以上支払う気がないのに、500円のグミを買うことはないですよね。
つまり消費者余剰はマイナスになることはないのです。
ここをしっかり押さえておきましょう!
では次の例を見てみましょう。
少し難しいですよ?
500円のグミがあります。犬後輩は600円払っても良いと考え、ネコ先輩は700円払ってもいいと思っています。
消費者余剰はいくら?
消費者余剰はいくら?
100+200=300ニャ?
正解です!
ネコ先輩の余剰は700-500=200になります。
犬後輩の余剰は600-500=100になります。
よって100+200=300となります!
需要曲線を使って考えてみよう
実際の経済学の講義では、グラフを用いて説明されます。
次に需要曲線を使って解説していきます。
だんだん難しくなるので頑張ってください!
以下の図を見てください。

これは先ほどの問題(ねこ先輩、犬後輩)を図で表したものです。
こちらも例を示して考えてみましょう。
現在のアメの価格は300円です。Aさんは500円、Bさんは300円、Cさんは200円で購入したいと考えています。では消費者余剰は合計でいくらになるでしょう?
200(A) + 0 (B)=200ニャ?
ネコ先輩大正解です!!
消費者余剰は「買い手が払ってもいいかな…と思った金額から、実際に払った金額を引いたもの」でしたね!
つまり、
A:500-300=200
B : 300-300=0
C : 買わない
A + B = 200
という式になります。
ここまでは先ほどの問題を図で示したものになります。
次の問題が消費者余剰の本番!
しっかりついてきてください!
以下の図を見てください。
この需要曲線のうち、消費者余剰に当たる部分を塗りつぶしてください。
さあ難易度がグッと上がりましたよ、
少し考えてみてください。
では答え合わせです。
オレンジ色の部分が消費者余剰です。
みなさん正解しましたか?
それでは解説をしていきます。
以下の図を見てください。
緑色の部分には「定価以上のお金を払ってでも買いたい」という人が集まっていると考えてください。
定価は300円。
緑色の部分は300円より高い価格を提示している人です。
消費者余剰は、
「買い手が払ってもいいかな…と思った金額から、実際に払った金額を引いたもの」
だったので、オレンジの箇所が消費者余剰となるのです。
いかがだったでしょうか?
これが消費者余剰の基礎中の基礎になります。
では次に応用編にいきましょう。
価格が下がった場合
価格が下がったとき消費者余剰が増加します。
下の図を見てみましょう。

なぜ消費者余剰が拡大するのかというと…
価格が下がったことで、今まで買えなかったお客さんが買えるようになったから。
です。
価格が落ちたことで
- 今までの消費者の余剰がUP
- 新しい消費者の登場
のダブル効果で消費者余剰が増加します。
生産者余剰
生産者余剰って何?
売り手がもらった金額ー売り手の費用
消費者余剰とほぼ説明は同じなため簡単に説明します。
グミを1袋作るのに100円かかりました。しかし実際には200円で売れました。
さて生産者余剰はどれくらいでしょう?
さて生産者余剰はどれくらいでしょう?
200-100=100ニャ!
正解です!
売り手がもらうのが200円で費用が100円なため生産者余剰は100円ですね。
グミを作るのに200円の費用がかかっています。100円では売りたくありません。
生産者余剰はどれくらい?
生産者余剰はどれくらい?
売らないから0だワン!
今度は正解です!!
実際かかった費用より安くは売らないと考えるため0となります。
価格が上がった場合
価格が上がったとき生産者余剰は増加します。
下の図を見てください。

生産者余剰が増加したのは、
- 既存の売り手の余剰がUP
- 新規の売り手が出てきた
のダブル効果によるものです。
これで生産者余剰は完璧です!
総余剰
総余剰って何?
消費者余剰+生産者余剰
次に総余剰を説明しましょう。
下の図を見てください。

消費者余剰+生産者余剰=総余剰となります。
基本的に総余剰を求める問題のパターンとして
- 需要と供給の方程式が与えられる
- グラフ化する
- 均衡点を見つける
- 余剰ごとに分けて総余剰を出す
が挙げられます。
均衡点では総余剰を最大化させているといえます。
価格が低かった場合
価格が低い場合は消費者余剰が増加します。しかし生産者余剰は大幅に減少。
赤線の部分だけ余剰が少なくなってしまいます。

価格が高かった場合
価格が高い場合は生産者余剰が増加します。しかし消費者余剰は大きく減少。
よって
赤線部分だけ損してしまいます。

よって均衡点が一番余剰が大きくなります!
まとめ
生産者余剰と消費者余剰について理解できましたか?
この基礎が分かっていないと税や補償などが出てきたとき困ることになります。
是非覚えておきましょう!